技術は素材を越えられない…
おだんごの『柔らかいとべたつき』『コシがあると固い』は似て非なるものです。
今日はいつもと少し路線を変えて米の質とおだんごについて書きたいと思います。『どうせ粉にする』からお米の質は関係ない…と思うかもしれません。
如何に優れた技術を持っていても、『技術は素材を越えることは出来ない』と有名な料理人さんがどこかで話していました。おだんごの世界も同じ、優れた技術を持っていても質の悪い米(粉)からは美味しいお団子は出来ません。お米の質が美味しい粉が美味しいお団子を作る前提条件です。
また『悪い米だから粉にしているだろう..』.と思う人もいますがこれも違うのです。
お菓子の世界に限らず、素材が悪ければそれなりのものしかできません。
米の質をみてみると…
規格内お米と規格外の米があります。この二つのお米は製粉すると規格内は白い粉になり、規格外の粉は若干色にくすみがあります。更に、同じ条件で団子生地にすると規格外のお米の粉から出来ている団子生地はやや灰色にくすみます。そこで沢山気泡を入れ光の屈折で白く見せます。ただでさえ規格外のお米の粉はコシが抜けべた付きがでるのですが、更に気泡を抱かせるためにもっとベタつきコシが抜けます。
☝主食用としても美味しいお米
☝主食用から選別されてはじかれたお米
コシと粘り滑らかさやツヤが違ってきます
色んな粉を入手し同じ条件でお団子を作った事があります。
一目瞭然…粉の質の違いが仕上がりから見えてきます。下の写真の5種類の上新粉には製粉方法の違いもありますが下段左のお団子がお米も製法も優れたものです。
製粉方法も、短時間で効率よく製粉する方法ではお米に必要以上に加熱され粉がやや焼けた状態になる場合があります。逆に余計な熱をお米にかけないように製粉した粉は艶とコシが優れた粉が出来上がります。
おだんごメーカーさんも大変なのです
お団子屋さんがどこのルートでどのような条件で販売しているか…?によって製造のしかたが変わってきます。朝ナマ屋さんであれば、粉と水と蒸気と練りの勝負ですが、販売先の条件にて数日間日持ちが必要と言われればそれに沿った製造レシピが必要です。また価格の縛りもあると思います。
面白い事に日持ちを長くしようとすればするほど粉の質の良し悪しは無意味になってしまう傾向があります。
パックから串を持とうとしたら串だけ抜けてべた~っとだんごがパックに残る事があります。食べても柔らかいというのではなく完全にコシが抜けた状態...。見た目は格好いいのに食べたらグダグダだった...。生ものを何日も日持ちさせるために使った副素材が悪さしているようです。それをマスキングするためにまた別な素材を用いる...。おだんごや大福もシンプルな材料で作られ、その日または翌日までに食べるのが一番おいしいのです。
昔の話ですが、某和菓子チェーン店さんと現役時代粉の商売をしていた事があります。当初は良いお米とこだわりの製粉方法で粉を納める約束の上商売が始まりましたが、主導的なキーマンが会社から離れた頃から『同等品と仕上がりが変わらない...』と言われ始めました。その後商売は無くなったのですが、何の事は無いその某菓子チェーンさんは製造レシピを日持ちする方向へ変更したため粉の質は関係なくなったようです。最近でも時々買って食べるのですが、ちょっとずつお団子の特徴が変わっています。毎日作っていれば逆に日々の僅かな違いに気づかず、いつの間にか違うものになっているのかもしれません。違いを感じるのは製造している人よりお客さんのほうが敏感だとおもいます。
当時は一生懸命作った粉が粗悪品と同等といわれ腹も立ったし傷つきもしましたが、今振り返れば致し方ない事だと思うのです。
冷蔵庫で保管すると固くなる
大福やおだんごを冷蔵庫で保管すると硬くなります。これはでんぷん質が老化する為です。炊いたご飯を冷蔵庫に入れると硬くなるのと同じことです。この現象を少し緩和させるために生地に砂糖を入れて保水力を高めるのですが、これもやや限界があります。コンビニのおにぎりの冷蔵ケースは15℃くらいの温度に保たれています。
ご飯もの系は冷蔵庫の温度帯が最もでんぷん質が固くなりやすいのです。
老化(硬くなる)を防ぐ副素材はたくさんありますが、ここで書く必要はないので書きません。常温で何日も日持ちする餅だんごがあります。
日持ちするものしないもの…色んなお餅だんごがありますが、それぞれの大福やおだんごにはファンがいますのでどちらが正しいというつもりはありません。
『大福だんごお菓子な毎日』としては、おだんごや大福ファンの皆様に色んなお菓子を食べてもらえれば一番うれしい事なのです。
最後に、粉から作るおだんごとお米を蒸して作るおだんごがあります。どっちが優れているかは食べる人の好みだと思います。粉から作るお団子もお米を蒸して作るお団子も、やはりお米の質が美味しさの決め手です。
色んな特徴をもった各お店の大福やだんごなどの和菓子...。毎回お店でお菓子を買う時には、全ての私的好みを一旦クリアにして、『私のお気に入りお店』という気持ちで食べています。『旨い不味いは個人の好み』なので人に言う事では無く食べた人が『お気に入り』か『そうでもない…』を決めてもらえればいいと思うのです。
また機会があれば粉やおだんごの小ネタを挟みたいと思います。なるべく解りやすく業界用語は使わないように書きたいと思います。
ではまた次回よろしく!
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