和三盆遣いのスペシャリスト
盛岡は東安庭にある造り菓子竹芳さまにてどら焼きを買ってきました。
和三盆を使っていて食べた時に感じる甘さは、ほのかなコクがありサッとキレて後味が良いです。使い方によっては重ったるい味になってしまう和三盆糖。流石竹芳さん和三盆使いのスペシャリストです。
ふわふわ&しっとり生地は香り良く、スッと風味が鼻から抜けていきます。丁寧に炊き上げた品の良い餡は、ずっと食べ続けられる魔法の味でした。賞味期限は短めに設定しているので、最もベストな美味しさを味わって頂く為、砂糖を控えめにしていると感じます。『日持ちしなくても大丈夫、すぐに食べてしまうので…。』
舌にグサッと甘さが刺さらない何とも言えないまろやかなあんこってなかなかお目にかかりません。
ある日お伺いした時は裏の工房でどら焼きの皮を焼いているようで、美味しい香りが換気扇から流れてきました。あの香りは何より販売促進効果があります。
これぞどら焼き!と自慢できる僕のお気に入りなのです。
☝生地のしっとり&ふわふわ。餡の炊き具合も最高です。
竹芳さん
是非食べてもらいたい竹芳さんのお菓子です。ブログや新聞にも何度か掲載させて頂いています。竹芳さんのご主人は、某全国青年組織の盛岡で知り合いました。僕のほうが少し年上です。ある年齢に達すると卒業するその組織、若かりし苦い思い出として、随分僕はおふざけをしてしまいました。消し去りたい想い出の数々...、彼にも多少なりともご迷惑をお掛けしたかもしれません。改めてこの場を借りて沢山の人たちにお詫びをしたいと思うのです。
昨年から僕がお菓子教室をはじめ、竹芳さんにはわらび粉などの貴重な素材を分けて頂くなど助けて頂いています。竹芳さんで最初に食べたのは『黒もち』という大徳寺納豆を使用したお菓子です。大徳寺納豆の特徴ある酸味を活かした黒もちは是非知らない人には食べて頂きたい逸品です。
☝パッケージも期待させる落ち着いた趣があります。
mainichi-mochidango.hatenadiary.com
☝住宅地の中にある竹芳さま。素敵な和菓子の宝庫です。
竹芳さま、どら焼きとても美味しかったです。
ごちそうさまでした!
どら焼きついでに…
どら焼きの想い出(香港スペシャルの開発)
いま僕が籍を置かせて頂いている会社では、元々どら焼きを作っていませんでした。25年くらい前、香港にある日系スーパーにて商品を販売するにあたり『どら焼きを作ってほしい…』というリクエストがありました。とても熱血感あふれる頼もしいバイヤーさんで、その溢れる人間味に惹かれて『どら焼きを香港スペシャル』を開発する約束をしました。当時僕たちにはどら焼きのレシピはありません。盛岡のお菓子屋さんや、東京の老舗の商品を買い集め、理想の味を探し始めました。その中に竹芳さんも入っていたと思います。
岩手産の小麦を使い、醤油やみりんも先ずは最高級の素材を探して開発をはじめました。腕が無い分材料に拘った感じです。この時機械も購入し万全の態勢で臨みました。アレコレ試行錯誤して出来上がったどら焼きは、少なくても東京の某老舗より美味しい自慢の逸品だと自負しています。努力の甲斐あってどら焼きは香港で随分売ることができました。残念ながら今は手間がかかるという事で作るのをやめてしまいましたが、その前に香港のスーパーさんの体制が変わり、当社の製品はどら焼きのみならず、全てカットになってしまったのは残念な出来事です。
開発にあたり、そのバイヤーさんに叱られた事があります。売れる価格帯を此方で勝手に考え、材料を落とす提案をしたところ『香港人の味覚を舐めるな!お前はとにかく一番美味しいと思う物を作って持ってこい!』と言われました。確かにその通りです。
今でもどら焼きを口にする度にその時の状況が鮮明に蘇ります。本当に有難いお叱りだったと思います。
そのバイヤーさんは残念な事に昨年病にて若くして亡くなってしまいましたが、僕にとってそのお叱りは一線を退いた今でも菓子対する精神軸になっています。
『日本の伝統文化を世界へ!』随分海外へ和菓子を売る努力をしてきました。その都度海外のバイヤーさんから、『何故わざわざお菓子を売りに来たのか』と聞かれました。その時の答えはいつも、『御社は価格ではなくお菓子を見て商品価値を判断してくれると信じていますので...』と言っていました。凡そのバイヤーさんは良い対応をして頂きました。
今は廃盤になってしまったどら焼きですが、近いうちに再現してみたいです。竹芳さんには及ばないですが、味の記憶を追いかけて何度でも作ってみます。
☝写真だけ残っています。商品は無くなってしまいましたが、味の記憶は鮮明に残っています。
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