🍵大福だんごお菓子な毎日🍵

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消費者と向き合うメーカーは有難い

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裏面配合チェックしていますか?

 某社の白玉粉をよく使っています。裏面には丁寧に白玉餅のレシピが印刷されていますが、原材料は自然の産物。天候によって毎年性質に変わりが出て来ます。お菓子講座の生徒さんから、よく伺う声で白玉粉に限らず、『包材に記載している通り作っても上手くできなかった…』といわれます。その場合の多くは、『私のやり方が悪かった』と、思う人と『難しいからもうやらない…』という二つに分かれるようです。お菓子に限らず、料理番組でもせめて『配合は使う素材によって微妙な仕上がりに違いが出ます…』的なテロップかアナウンスがあればいいのにって感じるところです。

 さて、その白玉粉ですが、毎年10パーセントくらいの加水量の調整が必要だと感じます。その他、上新粉やもち粉においても、同様の天候による素材の出来によってブレがあります。工場のように一気に仕込むならそのブレも誤差のうちかもしれませんが、過程でつかう粉物は精々100g程度、軽量カップで水を100cc量れば10gくらい違います。裏面レシピとの違いでが10g水を減らす必要があるとしたら、この時点で2割くらいの誤差が生じます。粉に対して水が2割増えたら生地はドロドロになります。こうなったら、粉を加えていくのですが、どれが正解かわからない人には判断がつきません。

☝検証したところ、裏面レシピでは水が多いようです。さらに加えましたが、それでも緩い感じ…。

実証実験をしてみました。メーカー名を出すことは控えさせていただきます。

レシピ通りの分量で作ったところ、ドロドロになってしまいました。さらに白玉粉を加え、少し緩いですが、まな板の上に並べていくと、生地がダレてきました。

茹で上がれば問題ないのですが、普段丸め慣れていない方が作るには少し大変だと感じます。せめて裏面表示には、はじめに加える量とその後の状態に対しての対処法は書いて欲しいと感じます。普段使いなれていない人と、日々触れている業者との意識の差って、想像する以上に大きいという事を業者さんには知ってほしいと感じます。白玉粉に限らずあらゆる小売用を販売している原料屋さんに意識してほしいです。

普段白玉などの原料を触っていた僕は、手の感覚で水の量は計りませんが、お菓子講座でのレシピを作り始めて、説明の大切さを身に染みて感じた次第です。あらゆる業界に言える事かもしれませんが、組織の中にいる限り、経営者も営業マンも消費者窓口担当も、軽視してしまっているかもしれません。不安なあまり質問を繰り返す消費者を『カスハラ』扱いにしている事もないとはいえません。組織に染まれば染まるほど、遮眼革(しゃがんかく)を付けた馬のように周りが見えなくなりがちです。

 

☝結局記載レシピより水を1割減らしました。

 

白玉粉の場合、水が少ないと丸める時に割れてしまいます。多いと丸められません。少し少なく水を入れて、丸めた時に割れるようならば、小さじ1ずつ(100gの白玉粉の場合)加えて整えていくのが安心だと考えます。



大先輩とのひと時

先日急追した大恩人様の法事にて隣になった昭和10年生まれの紳士。和菓子屋さんだったのですが、現在は廃業してしまいました。辞めた原因は、上新粉(米の粉)の生粉(洗米の後乾燥せずすり潰した粉)が入手できなくなったから…、という事です。僕も多少生粉を使った事もあるのですが、とても難しくて納得するレベルには至りませんでした。僕が使ってきた上新粉は、洗米の後乾燥させ粉にしたものです。その元職人紳士さんと暫く話していましたが、生粉を扱うポイントを幾つか教えて頂きました。とても興味深いノウハウでしたが、今地元に生粉を作る製粉メーカーはありませんが、その一言一言を帰宅後ノートへ書き残しました。このノウハウは、生涯誰にも伝わらない可能性があります。生粉を作る会社が無いので仕方ありません。あと10年くらいしたら、自ら再現してみたいのですが、70歳手前でその勇気と体力があるか否かわからないところです。お菓子教室レベルでも、希少原料を入手するのが難しくなってきました。抹茶水ようかんを作るのにも、製餡メーカーとのつながりが無ければ、ネットで送料込みの高いものを買わなければいけません。葛粉もわらび粉もなかなか本物どころか2流品ですら高くて自宅で作るのが難しくなってきました。需要が無いと言ってしまえばそれ迄ですが、せめて都道府県の市や町の中に一件くらい原料屋さんがあれば良いと思うのですが、なかなか難しいのかもしれません。先日乾燥よもぎを探しに6件のスーパーと業務用問屋を回り、7件目のスーパーでやっと入手した感じです。和菓子屋さんが店の一角に小さくてもいいから原料コーナーを作ってくれないかな…?と思います。出来上がりを買ったほうが確実に安いし美味しいと思うのですが、和菓子屋さんの存在意義を素材販売で再認識してくれるメリットが大きいと感じます。

☝再現できる入手可能な素材でしか菓子講座の内容が狭まります。

 

今回は、大恩師が亡くなったことなどもあり、結構悲観的な内容になってしまいました。でも、その恩師が『隠れて私の菓子講座へ参加したい』と娘さんから伺いました。

帰りの車中は涙がとめどなく流れてきました。同時に和菓子の火を個人レベルで消さないように小さな歩を続けていくと決意もしました。次回からは明るく行きたいです。

では、また!

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