洋菓子専科かめやま：チョコレート詰合わせ - 🍵大福だんごお菓子な毎日🍵

凄い洋菓子の造り手が釜石にいます！

チョコがもっと好きになった味

　岩手県釜石市中妻町に『洋菓子専科かめやま』さまのお店があります。先日数年ぶりに訪ねることができました。お土産に頂いたチョコレートは、どれも特徴があり、品格すら感じられます。体じゅうの細胞に行き渡るような奥深いカカオと独自に調合された様々なフレーバーが、これまで食べたチョコレートとは違う新たな目覚めを感じさせ、心を安らげる清涼感がありました。食べた後しばらくのあいだ、爽やかな風が体を駆け抜けていたたような気がしました。

　以前のように欲望のままに食べることは出来ない身体す。食事をコントロールしながら、渾身のひと粒を、口の中からその存在が無くなるまでゆっくり味わいました。寧ろ今の身体のほうが食べ物をじっくり丁寧に味わっているようなきがします。奥深い味わい…、このチョコレートを作っている亀山氏は、知る人ぞ知る日本屈指の洋菓子職人だと知ったのはつい数年前のこと…。

物語は２００７年までさかのぼります…。⤵（下につづく）

☝まずはひと粒…素晴らしい味と香りと食感でした！

想い出のアンナ・マリー

　盛岡市加賀野に住んでいた頃、小学生だった二人の子ども達の誕生日やクリスマスケーキは、かつて盛岡にあった亀山さんのお店『アンナ・マリー』にお願いしていました。妻が友人からお店の評判を聞き、ケーキを食べてからすっかり虜になってしまいました。誕生日にはお客様の要望に応え、キャラクターケーキを作ってくれると聞き、娘の滅茶苦茶な絵を持ってお店へ行くと、亀山さんご本人が時間を惜しまず子どもの話しを聞き、見事なまでに抽象的な絵から素晴らしいケーキを作ってくれました。自宅の近くにあったお店は、これから飲みに行く前の妻や子ども達への罪滅ぼしと機嫌取りに大活躍してくれました。

　数年後、釜石で『洋菓子専科かめやま』を経営されていたお父様が逝去され、亀山氏はお店を継ぐためにアンナ・マリーを閉じられました。釜石にてお店を引き継いでまもなく、東日本大震災があり、釜石でも内陸側にあったお店は被災を免れたものの、沿岸部にあった支店は津波にて流されてしまいました。ご自身も同日同時刻、車の運転中に背後から津波が近づき、車を捨てて土手を駆け上がり九死に一生を得ました。

　震災から暫くして、仕事関係で大手菓子メーカーとのコラボ案件があり、そのアドバイザーとして目の前に亀山さんが目の前に現れました。凄い偶然でした。この時初めて亀山氏が日本屈指の洋菓子職人であることを知り、子どもが書いたつたない絵のキャラクターケーキを作って頂いた事を恐縮してしまいましたが、今思えば、凄い達人だからこそ食べる人の喜ぶ表情を想像する力があるからこそ、凄腕の職人として名をはせたのだと考えるのです。

　今回久しぶりにお会いできたのは、友人から『盛岡にあるお勧めの和菓子店は…？』というメールがあり、幾つかご紹介させて頂いたあと、『釜石へ行く機会があれば、かめやまさんへ…』と、伝えましたが、盛岡から釜石まで在来線で行くと３時間くらい時間を要するので、行くことはないだろうと思っていましたが、探求心の強い友人は、翌日サラッと行ってしまったのです。高速を使えば１時間足らずで行ける距離にいる僕はなんて面倒くさがりなのだろう…と、彼の行動を見て恥ずかしくなりました。

友人の素早い行動のあと。偶然釜石に用が出来ました。約３年か４年ぶりに亀山さんを訪ね、お菓子と同時に素晴らしいお人柄に触れさせて頂きました。年齢を重ね益々お菓子に対し、真摯に向き合う姿を見て、僕も枯れるにはまだ早いと強く感じさせられました。その週末部屋の整理がてら、使っていない財布を開けてみると、アンナ・マリーさんのレシートが出てきました。日付は２００７年７月４日、妻の３０回目の誕生日のものでした。凄い偶然があるもんだ…。嬉しさのあまり、そのレシートを写真にして、先日のお礼と共に亀山さんへ手紙を送らさせて頂きました。