北前船と秋田…そして山科巻
蕗月堂様の山科巻を頂いて、名前の由来が気になってしまった。ネット上に情報は少なかったのですが、どうしても気になって蕗月堂さまへ直接メールをしてみました。すると1日も経たないうちにご返信を頂戴いたしました。
頂戴したメールを読んでいるうちに司馬遼太郎の小説『菜の花の沖』のストーリーが蘇ってきました。風雨にあまり強くない和船に沢山の産物を載せ命がけで日本海沖を北上南下しながら商いをする高田屋嘉兵衛の姿。北前船がもたらした都の文化が『山科巻』に繋がっているようです。『京の都とはいかなるところだろう…?』そんな想像をしながら横手の人々は山科巻に都を感じたのだと思います。
蕗月堂さまより…。
山科巻を載せて頂きありがとうございます。
名前の由来の件、一説としかご説明できませんで申し訳ございません。
その昔、北前船が日本海を往来していたころからのお話のようです。
京都(山科という地名から来たのではないでしょうか?)~近江の文化・菓子等が日本海を渡り、こちらに根付いていったものと思われます。
今では秋田県南だけのお菓子と申しておりますが、全国には地方によって同じような食感のお菓子が名前が違えどありますね。
昔は家庭で保存食として作られたお菓子で、京都地方の落雁と同じく、砂糖と水飴で固め、原材料はお米です。お米を乾燥させて粗粉にし、さっと油で炒めるとふっくらしますね。それを弊社でミキシングして固め、押したり、巻いたりします。押した山科は仙台にある※塩竃と似ています。
外側は同じ原料で“雲平”という餅に近い食感の菓子です。
なぜぐるぐる巻きにしたかまでの由来は解りませんが、きっと遊び心の職人さんがそうしたのではないでしょうか?
だぶん、昔は固いお菓子だったと思いますが、現在はあっさり食べやすく、甘みも抑えめにしています。
昔懐かしいとご高齢の方のお客様が多いのですが、若い方も食感がおもしろいと言ってご購入頂いております。※塩釜 志ほがま - Wikipedia
ぐるぐるの渦巻きは職人さんの遊び心とか...、もしかして日本海の荒波を表しているのかもしれませんね...。
☝渦を巻いているのは昔の職人さんの遊び心とか...。
蕗月堂さま、丁寧なご対応ありがとうございます。必ずお店へお伺いいたします!
ありがとうございました!
⇩蕗月堂さまホームページ
お取り寄せもできます。
山科巻を食べて蕗月堂さんからメールを頂いて…またもう一度菜の花の沖を読もうと思いました。本棚から引っ張り出してまた読み始めます。
ご興味があれば是非一度読んでみてください。あっという間に引き込まれる司馬遼太郎ワールド、6冊なんてあっという間です。夢とロマン、心が湧き踊る壮大な歴史ロマンです!