お菓子には意味があって面白い
春と秋の彼岸にはおはぎ(ぼたもち)を食べます。牡丹の花が咲く頃が『ぼたもち』で萩の花が咲くころが『おはぎ』。以前ブログに書いた事があります。ついでに夏と冬にも『夜船』『北窓』と名前が付きます。この名称の違いは和菓子業界の人であれば知っていることだとおもいます。
春…『ぼたもち』牡丹の花が咲く季節。
夏...『夜船』月のない夜はいつ船が着いたかわからない。
秋...『おはぎ』萩の花が咲く頃。
冬...『北窓』北の窓から月が見えない。
こんな意味が隠されていて、初めて知った時は日本の伝統とそれを考えた人々の風情ある情景が心に浮かび感動した想い出があります。
僕が和菓子を持って外歩きしていた頃は、勿論製品の作り方や原材料の情報などは頭に入れて持ち歩いていましたが、どちらかと言えば製品が持つ『風情と情景』を担当者さんへ伝える事を一番の目的にしていました。
しかし...、景気が悪化し始め暫く経った頃から、仕入れ先様も和菓子担当を専任で置く事が難しくなってきて、風情と情景やお菓子が持つ意味については中々興味を持たれなくなってきたように思います。中には初対面にもかからず『私和菓子嫌いだから...』といきなりマウントを取ってくる人も少なからずいらっしゃいました。これは担当者が悪いというより、手に余る膨大な仕事量を抱えている辛さからでた言葉だと今は理解できます。
一線を離れ、近年街のお菓子屋さんを回って感じる事は、店主さんも店員さんも、自分たちが作ったお菓子への愛情と同時に、長年受け継がれてきた製品に関する『風情と情景』をとても大切にしている気がします。
コンピューターは一般的でなく、インターネットが無かった時代、仕入れ担当者さんから、おはぎのチラシを作るから調べて持って来て...という依頼。決して安くはない書籍を購入し、さらに図書館を巡り、お菓子の専門書から専門家を見つけ、ドキドキしながら電話や手紙で面会をお願いして、やっとの思いで資料を作成しました。こんな作業は僕の年代が最後の世代だと思います。良い時代に下っ端営業をさせてもらったと感じます。確実に僕の財産になっています。
いまやネット検索で何日もかけて調べた事が、数分で可成りの情報にアクセスする事ができます。便利な時代になりました。どちらが良いか自分の為になるかは解りません。良いように使い分けしていくのがベストだと思います。いまブログで発信できるのは時代の恩恵ですね。
ただし、ナビを使って車で走るといつまでも道順を覚えないように、安易にネット検索した情報はあっというまに忘れてしまいがちです。ネットという特性なのか?年齢による老化なのか…?取り敢えず、脳の栄養である糖分をおはぎをから接種して物忘れを少しでも軽減させたいと思う今日この頃です。あんこには繊維がタップリなので腸の掃除もしてくれます。おはぎは完璧に近い健康食だとおもいます。
おはぎを4つの呼び名で表したのは、四季折々の体調変化をおはぎを食べて体調を良い状態で保とうという昔の人のメッセージなのかもしれません。
最後に景気が良くなれば文化的な関心が増すようです。おはぎをはじめ和菓子が持つ意味がもっと広がるように日本の景気がもっと良くなればいいですね。
☝ふるさとやさんのおはぎ、餡も中のもち米の感じが最高にたまりません。
お菓子に限らず今の商談って熱く情熱的に伝えるのって古いのでしょうか…?。テレビにでてくる、最近はやりの評論家のように無表情に感情を入れず淡々と論破するように話すのが時代の流れなのでしょうかね?だとしたら、そんな時代は僕は嫌だ。
☟梅月堂さまのおはぎ
mainichi-mochidango.hatenadiary.com
☟ふるさとやさまのおはぎ
mainichi-mochidango.hatenadiary.com
☟結庵さまのおはぎ
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☟おはぎのはなし
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☟菓子教室で作ったおはぎ
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